伊野尾慧と石川梨華

わたしは昨年末のFNS歌謡祭で転げ落ちるみたいに加速してJUMPにハマった。

ジャニオタ歴も短く1年4か月。なのに事務所DD。

最初に好きになったのはエイト(安田)、そして関ジュ(向井)と熱しやすく冷めにくい性格も相まってどんどん手を広げていった。

 

この1年をジャニオタとして過ごした結果、わたしは伊野尾担になることが目に見えていた。だから、ずっと目をそらしてきた。

なのに、「ケジメなさい」を踊る伊野尾を見た瞬間、わたしは伊野尾担として生きていくのだと察した。

彼は誰かに似ている。ずっとそのもやもやを抱えていた。

そして、ジャニーズ楽曲大賞のコメントを読んで気づいた。

 

伊野尾慧は、石川梨華に似ている。

 

石川梨華は、ド直球ストレート王道アイドルだ。

可愛くて、ふわふわしてる。

でも、ちょっと歌が苦手で、ちょっと後ろの方にいる。

 

わたしはモーヲタベリヲタで、特に娘。は黄金期入りで今まで応援し続けている。(ジャニーズにハマって、サイリウムの少なさに驚かされた)

歴代のわたしの推しメンはいろんなタイプに分かれているのだが、一番わたしが憧れたのは石川梨華だ。

なっち、ガキさん、さゆ、生田。彼女たちも大切な私の推しなのだが、憧れという観点で言えば、ダントツ梨華ちゃんだ。

梨華ちゃんを見ると、胸がきゅっと締め付けられたようになるし、あの高音を聞くと思わず声が漏れてしまうほど幸せになる。見終わった後に「ああ、可愛かった」とため息をついてしまう。そしてどっと疲れて、鏡を見て、わたしも梨華ちゃんになりたい。そう思っていた。私がまだ小学生の時である。

今でもなれるものなら梨華ちゃんになりたいし、昔から梨華ちゃんは変わらぬかわいさを誇っている。人間とは思えない。

 

梨華ちゃんほどに見ていて体力と気力を消耗するアイドルに、わたしは出会えなかった。続きもしないダイエットを決意したり、鏡を見て絶望するようなアイドル。

 

しかし、わたしは出会った。

伊野尾慧というジャニーズの男性アイドルに。

録画したFNSは何度も見返して、ひたすら伊野尾を追った。あの短い時間の一瞬たりとも逃すまいと見入った。そして疲れた。この疲労は、嬉しい疲労だった。

 

わたしが考える石川梨華といえば、の曲が二曲ある。

「ザ☆ピ~ス!」と「シャボン玉」だ。

梨華ちゃんは、「ザ☆ピ~ス!」をきっかけに自信が持てたと語っている。

それまで目立たなかった彼女が、センターとなった曲だ。

そして、「シャボン玉」。6期メンバーのデビュー曲となったあの歌は、どちらかといえば田中れいな道重さゆみなどのイメージが強い曲ではある。

しかし、わたしはやはり、梨華ちゃんの台詞部分に心を奪われてしまったのだ。

「本気で好きだって言ったじゃん」から始まる彼女の台詞パートは、卒業した今は後輩が受け継いでいる。でも、やっぱりわたしはしっくりこない。あの梨華ちゃんの高音で早口にまくしたてられる言葉じゃないと、わたしの心は疲れなかった。

 

石川梨華にとっての「ザ☆ピ~ス!」、「シャボン玉」のような曲が伊野尾にも表れる日が来るだろう。

そのとき、わたしはじっくりと心と体を疲れさせ、その疲労の味を楽しむのだろうと思う。